会社員は、健康保険や厚生年金の保険料が給与から天引きされ、年末調整で自動的に税金の計算に入ります。フリーランスや個人事業主は、国民健康保険や国民年金を自分で払うので、確定申告で自分で書く必要があります。
そして、この金額は思ったより大きく効きます。
払った全額を、所得から引ける
国税庁によると、社会保険料控除で差し引けるのは、その年に実際に払った保険料の全額です。上限はありません。対象になるのは、たとえば次のようなものです。
- 国民健康保険の保険料(国民健康保険税)
- 国民年金の保険料
- 国民年金基金の掛金
- 介護保険料、後期高齢者医療制度の保険料
例:どれくらい効くのか
令和8年分で、売上200万円、経費50万円のフリーランスの人を考えます。所得は150万円です。
- 基礎控除(所得489万円以下):104万円
- 払った国民健康保険と国民年金:合計30万円
所得控除の合計は134万円なので、所得150万円のうち税金がかかるのは16万円です。もし社会保険料を書き忘れると、税金がかかる部分が46万円にふえてしまいます。
この例は、しくみを説明するための目安です。基礎控除の金額はこちらにまとめています。
家族の分を払っても、引ける
国税庁は、生計を一にする配偶者やその他の親族が負担すべき社会保険料を自分が払った場合も、控除の対象になるとしています。たとえば、同じ家計の家族の国民年金保険料を自分が払っているなら、自分の社会保険料控除に入れられます。
「その年に払った分」が対象
控除の対象は、その年(1月〜12月)に実際に払った金額です。いつの分の保険料か、ではなく、いつ払ったかで数えます。
確定申告で必要なもの
- 国民年金の保険料や国民年金基金の掛金は、金額を証明する書類(控除証明書など)を、確定申告書に付けるか、出すときに見せる必要があります。
- 国税庁によると、令和8年分以後の確定申告書を令和9年1月1日以後に出す場合は、一定の事項を書いた明細書を付けることで、証明書の添付や提示の代わりにできます。
- 国民健康保険料は、払った金額を確定申告書に書きます。金額は、市区町村から届く通知や、口座の引き落とし記録で確かめられます。
払った社会保険料も入れて、確定申告が必要かを「フリーランスの確定申告、必要?かんたん判定(令和8年分)」で確かめられます。
まとめ
- 国民健康保険や国民年金は、その年に払った全額を所得から引ける(社会保険料控除)
- 生計を一にする家族の分を払った場合も対象
- 国民年金は控除証明書などが必要。令和9年1月以後に出す令和8年分の申告では、明細書で代えられる