副業の所得は、多くの場合、事業所得か雑所得のどちらかになります。どちらになるかで、赤字の扱いや、帳簿をつける義務が変わります。
この記事は、業務委託やネット販売、ブログ、イラストやライティングの仕事など、給与ではない副業の話です。アルバイトの給与は給与所得です(くわしくはこちら)。
分かれ目1:「事業」と言えるほどの規模で行っているか
国税庁は、所得税基本通達(国税庁が示す法律の解釈)の中で、事業所得に当たるかどうかは、その所得を得るための活動が、社会通念上「事業」と言えるほどの規模で行われているかで判定する、としています。
そして、事業所得と認められないものは業務に係る雑所得になります。通達では、たとえば次のような所得が例として挙がっています。
- 原稿、さし絵、作曲、デザインの報酬、講演料など
- 営利を目的として続けて行う、資産の売買から生じる所得
- 動産の貸付けや、お金の貸付けによる所得
つまり、文章やイラストの仕事でも、規模や続け方によって、事業所得にも雑所得にもなります。何で稼いでいるかだけでは決まりません。
分かれ目2:取引を記録した帳簿書類があるか
同じ通達には、もうひとつ大事な注意があります。その所得の取引を記録した帳簿書類の保存がない場合は、業務に係る雑所得に当たることに留意する、という一文です。
ただし例外があり、収入金額が300万円を超え、かつ事業所得と認められる事実がある場合は、この扱いから外れ、実態で判断されます。
読みかえると、収入が300万円以下の副業で帳簿を残していなければ、雑所得として扱われる、ということです。事業所得として申告したいなら、少なくとも帳簿書類を残していることが前提になります。帳簿の義務についてはこちらにまとめています。
どちらになると、何が変わるか
- 赤字の扱い:事業所得の赤字は、給与などほかの所得と相殺(損益通算)できます。雑所得の赤字はできません(くわしくはこちら)。
- 帳簿の義務:事業所得なら、記帳と帳簿書類の保存の義務があります。業務に係る雑所得は、前々年の収入が300万円を超えるまでは、書類の保存義務はかかりません。
「確定申告がいるか」の20万円のルールは、事業所得でも雑所得でも同じで、給与以外の所得の合計で判定します。
自分で選ぶものではない
事業所得か雑所得かは、規模や続け方、帳簿の有無といった実態で判断されるもので、「得なほうを選ぶ」ものではありません。赤字を給与と相殺するために事業所得として申告して、あとで認められなければ、税金を追加で納めることになりかねません。判断に迷うときは、税務署や税理士に相談してください。
どちらの場合も、給与以外の所得が20万円を超えるかで確定申告の要否が決まります。「副業の確定申告、必要?不要?かんたん判定」で確かめられます。
まとめ
- 事業所得かどうかは、社会通念上「事業」と言えるほどの規模で行っているかで判定される
- 事業所得と認められないものは、業務に係る雑所得になる
- 帳簿書類の保存がなければ、収入300万円以下では雑所得として扱われる
- 赤字を給与と相殺できるのは事業所得だけ。どちらになるかは実態で決まり、自分では選べない